「2階は安全」という思い込みが崩れる夜—垂直移動を可能にする外構と、上層階からの侵入統計
窓は開けたままでも大丈夫」
その夜に何が起きるか
夏の深夜1時。
寝室は2階にある。窓を少し開けて、扇風機を回している。「2階だから入れない」という感覚で、クレセント錠は閉めていない。
玄関は施錠した。1階の窓も確認した。しかし2階の寝室の窓は——開いている。
外から見ると、この窓の真下には室外機がある。室外機の横には物置が置いてある。外壁には雨どいが走っている。
この家の外構は「2階への垂直移動」を設計した人間には見えない足場を、複数、提供している。
防犯設備士の分析によれば、雨どいを使えばおよそ20秒で2階にたどり着けることが確認されている。20秒——それは、寝室で就寝中の住人が「音に気づいて目を覚ます」時間よりも、短い可能性がある。
「2階だから安全」という思い込みは、「1階から上がる」という垂直移動を想定していない。
「高さ」は抑止力ではない:外構が梯子に変わる物理的事実
侵入者がどこから侵入するかを、数字で見る。
警察庁「住まいる防犯110番」のデータ(令和6年)によれば、一戸建て住宅への侵入口のうち「窓」からの侵入が最多で52.9%以上を占める。そして4階建て以上の共同住宅であっても、全体の25.7%は窓からの侵入だ。
参考:政府広報オンライン「空き巣や強盗から命と財産を守る 住まいの防犯対策」 https://www.gov-online.go.jp/article/202310/entry-9977.html
参考:ALSOK「2階の窓でも狙われる?ベランダ・バルコニーの防犯対策」 https://www.alsok.co.jp/person/recommend/130/
「窓」からの侵入が最多——つまり、侵入者は地上から直接入れる1階の扉よりも、「窓」という開口部を好む。なぜか。
窓は「鍵がかかっていないことが多い」からだ。特に2階の窓は「まさか入れないだろう」という居住者の心理が、施錠の習慣を緩ませる。
セコムの解説が示すように、1階の窓や玄関周りだけでなく、2階や3階でも、雨どいや配管を伝わって登ったり、電柱や樹木、ガレージなどを足場にして乗り移る場合がある。「まさか、こんなところからは入らないだろう」という考えは、プロの侵入犯には通用しない。
参考:セコム「空き巣が狙う時間帯と侵入の手口とは?」 https://www.secom.co.jp/homesecurity/bouhan/crime_prevention/bouhan021.html
「高さ」は抑止力ではない——外構が梯子に変わる4つの足場を整理する。
足場①:エアコンの室外機 設置高さは約40〜80cm。これに乗れば、腰高窓の高さに手が届く範囲になる。さらに物置と組み合わせれば、2階のベランダまで届く高さが確保できる。
足場②:物置・倉庫 駐車スペースの横、外壁の近くに置かれた物置は、高さ1〜1.5m程度のものが多い。これと雨どいを組み合わせると、2階ベランダへの侵入ルートが完成する。
足場③:雨どい・給排水管 外壁に沿って走る雨どいは、体重を支えるのに十分な強度を持つ場合がある。特に金属製の雨どいは、掴んで登ることができる。防犯設備士の実証によれば、雨どいを使って2階に至るまでおよそ20秒という結果が報告されている。
足場④:カーポートの屋根 塀の近くにカーポートがあり、建物に近接している場合——塀→カーポートの屋根→ベランダというルートが生まれる。居住者が「駐車スペースを作っただけ」と思っている外構が、2階への踏み台になる。
政府広報オンラインが警察庁データとして明示しているように、物置やエアコンの室外機などは、2階への足場にならないよう留意することが推奨されている。
参考:警察庁「住まいる防犯110番」 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/top.html

時間軸の解剖:侵入者が「2階の窓の前」に到達するまで
⏱ 0〜10秒(検知):20秒で2階に到達する侵入者と、それを知る設計
深夜、侵入者が外から住宅を観察する。
玄関——施錠されている。1階の窓——施錠されている。しかし2階のベランダの窓——わずかに開いている。カーテンが揺れている。
目線が室外機に向く。横の物置を確認する。外壁の雨どいを目で追う。
「ここから入れる」という判断が、数秒で完了する。
行動を開始する。室外機に足をかける。物置の屋根に乗る。雨どいを掴む。20秒後——2階のベランダに立っている。
この20秒間、何のセンサーも反応していない。
1階の窓や玄関には開閉センサーが設置されていたとしても、2階のベランダには設置されていなかった。センサーが守っているのは「侵入者が来るはずのない場所」だった。
ALSOKのデータが示すように、4階建て以上の共同住宅であっても窓からの侵入が確認されており、高層階を狙う窃盗犯は屋上や非常階段などからベランダに侵入し、ベランダ伝いに隣の住戸に移動して次々と犯行を繰り返す手口が確認されている。
参考:ALSOK「最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策」 https://www.alsok.co.jp/person/recommend/071/
⏱ 10秒〜30分(空白):ベランダに入ってから窓を突破するまで
ベランダの中に入った侵入者の前に、開いた窓がある。
あるいは——窓は閉まっているが、施錠されていないクレセント錠だけがある。
クレセント錠は「錠」という名前がついているが、鍵ではない。防音・気密性を高める器具であり、防犯性能は持っていない。ガラスに小さな穴を開け、手を差し込んでクレセント錠を回す——これは数十秒の作業だ。
「ベランダが壁で囲まれているタイプの住宅では、ベランダの中に入ってしまえば外からは見えない。 侵入者がガラス破りの作業をしても、外の通行人や隣家には見えない状態になる。
日本蘇生協議会(JRC)のガイドラインが示すように、緊急時の初動速度が結果を決める。侵入が開始してから警備センターへの通報が届くまでの時間が短いほど、被害は抑制できる。しかし2階への侵入経路にセンサーがなければ、通報の連鎖は始まらない。
参考:日本蘇生協議会「JRC蘇生ガイドライン2020」 https://www.jrc-cpr.org/jrc-guideline-2020/
⏱ 30分〜24時間(結末):「2階から侵入された」と、いつ気づくか
翌朝。
目を覚ます。寝室の窓が、昨夜より少し大きく開いている気がする。リビングの引き出しが開いている。財布の中の現金がない。
「いつ?」「どこから?」——玄関の鍵は閉まっている。1階の窓も閉まっている。
答えは「2階のベランダ」だ。しかし、その事実に気づくのに数時間かかった。
総務省消防庁のデータによれば、救急車の全国平均到着時間は約10.0分(令和6年版)。警察への通報も同様に、「通報が届いてから」動き出す。
参考:総務省消防庁「令和5年版 救急救助の現況」 https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/post-5.html
2階からの侵入被害は、「発見」まで長い時間がかかる。侵入者が物色して立ち去り、就寝中の住人が朝まで気づかなかった——という事例は少なくない。
なぜ「検知」できないのか
2階・ベランダ経由の侵入が、多くの家庭で検知されない理由を整理する。
① 「1階の防犯対策」が「2階の無防備」と組み合わさる 玄関のディンプルキー、1階窓の補助錠、1階の開閉センサー——これらをすべて完璧に設置していても、2階のベランダ窓が無施錠であれば、そこが侵入口になる。「防犯対策をした」という達成感が、2階への注意を薄める。
② 「高さ」という心理的抑止力が、物理的な抑止力になっていない 「2階だから大丈夫」という感覚は根強い。しかし室外機・物置・雨どいという外構の組み合わせが存在する限り、高さは「抑止力」ではなく「少し手間がかかる障壁」に過ぎない。
③ 2階の窓にセンサーが設置されていない 開閉センサーは「設置した場所」しか守らない。1階の玄関・窓に設置して2階のベランダ・窓に設置していなければ、2階からの侵入は検知されない。「防犯対策をしている」家と「すべての開口部を守っている」家は、別物だ。
④ 夜間のベランダは「暗くて見えない死角」になる 夜間、2階のベランダは照明が届きにくい。センサーライトがなければ、侵入者が接近しても視覚的に認識できない。暗がりという物理的条件が、侵入者に「作業時間」を提供する。

なぜ「介入」できないのか
2階からの侵入が始まっても、止める手段が機能しない理由がある。
通報が届かなければ、警備員は動けない 2階のベランダにセンサーがなく、窓の開閉センサーもなければ——侵入者がベランダに入り、窓を突破し、室内で物色している間、警備センターには何も届いていない。「通報してから25分以内に到着」という警備業法の規定も、通報が届かなければ意味を持たない。
就寝中は人間の感知能力が低下する 深夜、睡眠中の住人は音に対する感知能力が低下する。侵入者が静かに作業すれば、就寝中の住人が気づかないまま侵入が完了する可能性がある。「人間が気づく」という設計に頼った防犯は、就寝中に最も脆弱になる。
「2階のベランダ」は警備員が最後に確認する場所だ 通報が届いて警備員が到着しても、建物外部から2階のベランダを確認するのは最後になりがちだ。侵入者はその時間を利用して逃走できる。
【生存のための物理構造図】
「1階だけの対策」から「垂直方向の全開口部を守る多層設計」へ。
【第1層:
足場を作らない外構設計】
└─ 室外機は建物から離れた場所へ
物置はベランダ直下に置かない
庭木は定期的に剪定し
雨どいへの接近を難しくする
「登れる外構」から
「登れない外構」へ
変える物理的な設計が
侵入の前段階で諦めさせる
↓
【第2層:
2階を含む全開口部のセンサー設計】
└─ 2階ベランダの窓・
掃き出し窓に
開閉センサーを設置する
「1階を守った」ではなく
「すべての開口部を守った」
という設計が
侵入経路の選択肢を消す
ベランダへの接近を
人感センサー・センサーライトが
暗闇の中でも「光と通知」で検知する
↓
【判断:
侵入の瞬間に警備センターへ通報】
└─ 2階窓の開閉センサーが
発報した瞬間
専用無線回線で警備センターへ
0秒で届く
「就寝中の住人が気づく前に」
プロが動き始める設計
インターネット回線に依存しない
専用回線が、
停電・ルーター切断でも機能する
↓
【介入:
警備員が鍵と情報を持って現場に到達】
└─ 警備業法の25分以内
到着基準で急行
「2階ベランダからの侵入」
という情報を事前登録で
持った状態で現場に向かう
到着後、外周の確認から
建物内部まで順を追って
安全を確認する
警察庁のデータが繰り返し示すように、侵入に5分以上かかると約7割の侵入犯が諦める。
「2階への垂直移動を難しくすること(足場を消す)」と「2階のセンサーが即座に発報すること」の組み合わせが、侵入犯に「この家は5分以上かかる」という判断をさせる。
「高さ」という物理条件ではなく「センサーと設計」という物理的な設計が、2階を守る。
設計を、今日から始める
「2階を含む全開口部を守る」設計——今日から動ける3つの選択肢
この記事が示した設計の核心は「1階だけを守った」ではなく「すべての開口部を守った」という状態への移行だ。2階のベランダ窓・掃き出し窓という「まさか」の侵入口を今日から設計の中に入れる。
2階の窓・ベランダにも開閉センサーを / 工事不要・賃貸OK
MANOMA(マノマ)セキュリティセット
両面テープで貼るだけの開閉センサーを2階の寝室窓・ベランダ掃き出し窓に設置することで、「ベランダに入ってクレセント錠を回した瞬間」に開閉センサーが発報し、スマートフォンに即通知する設計が完成する。就寝中でも「人間が気づく前に」システムが動く。必要に応じてセコムの駆けつけを要請できる。「1階は守っていたが2階は守っていなかった」という設計の穴を今日から塞げる。工事不要・違約金なし・賃貸OK。
最大3か月 月額980円・違約金なし・工事不要・賃貸OK
MANOMAを確認する →ベランダへの接近を「光」で検知する / Amazonで今日から
ソーラー式センサーライト(屋外・ベランダ設置対応)
この記事が示した「夜間のベランダは暗くて見えない死角になる」という問題への最もシンプルな対処だ。ベランダにセンサーライトを置くだけで、侵入者が2階のベランダに侵入しようとした瞬間に強い光が点灯する。「暗がりで作業できる」という侵入者の前提を崩す設計だ。ソーラー式なら電池交換不要・電源不要でベランダに置くだけ。防水対応(IP44以上)の製品を選ぶ。
ベランダ用センサーライトをAmazonで見る →2階の窓に今日から貼る / Amazonで今日から
SwitchBot 開閉センサー(2階窓・ベランダ窓用)
2階の寝室窓・ベランダの掃き出し窓に両面テープで貼るだけ。「クレセント錠を回した瞬間に窓が開く」という侵入の物理的事実を検知し、スマートフォンに通知する。MANOMAへの移行前に「とりあえず2階の窓にも貼る」という即時行動として機能する。1階だけにセンサーを設置していた設計を、今日から2階まで広げる第一歩だ。
※スマートフォンへの通知にはSwitchBotハブ(別売・約5,500円)が必要です。MANOMAはゲートウェイ込みのセットです。アラームのみの使用であればハブなしでも機能します。
※本ブロックで紹介しているのは「2階を含む全開口部を守る設計への第一歩」として選定した製品・サービスです。この記事が示した「センサー発報→専用無線回線→警備員急行」という設計を完全に満たすのは、警備会社との本格契約です。また、記事が示した「足場を作らない外構設計(室外機・物置の配置見直し)」は費用ゼロで今日から始められる最初の一手です。


「まさかここからは入らないだろう」という感覚の更新
防犯対策を検討するとき、多くの人が「1階の玄関と窓」から始める。それは正しい出発点だ。
しかし「まさか2階からは入れないだろう」という感覚を持ったまま、2階の設計を後回しにするとき——その「まさか」の部分が、侵入者にとっての「最も確実な侵入口」になる。
「まさか」という感覚は、設計の穴を作る。
室外機は便利な冷暖房設備だ。物置は収納に欠かせない。雨どいは雨水を排水する。これらは生活に必要なものだ。しかし「侵入者の視点で見たとき、これらがどう見えるか」を一度想像することが、2階防犯設計の出発点だ。
「2階は安全」という思い込みが崩れる夜は、その想像をしなかった家で起きる。
この記事を読んで「2階の防犯設計が気になった方へ」
このサイト(guard-structure)は、住環境の「物理的な構造」とリスクの関係を整理することを目的にしています。「高さ」が抑止力にならない構造と、その設計的な解決を言語化することが、この記事の出発点です。
気になった方は、現在設置可能な「具体的なシステム」を確認してみてください。
「上の階だから大丈夫」——その前提が崩れた後の設計
垂直移動を可能にする外構がある以上、2階・3階も侵入設計の対象に入れる
統計が示す通り、上層階からの侵入は「ない」のではなく「見落とされている」だけだ。カーポート・フェンス・隣接する構造物が垂直移動の足場になる。関電SOSは専門スタッフが実際に訪問し、2階・3階の窓や外構を含めた「全方位のリスクポイント」を確認した上でプランを設計する。「上の階だから」という前提を外した設計を、専門家と一緒に作れる。
関西電力グループ・専門スタッフが全方位で現場確認・顧客満足度97%
関電SOS ホームセキュリティ
月額費用・初期費用が他社より安く、オプションの自由な組み合わせで住まい全体をカバーする設計ができる。対象は大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀。
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「上の階だから大丈夫」——その前提を外した設計を、業界最大手と作る
雨どい・室外機・物置が足場になる以上、2階・3階の窓も設計の対象に入れる
防犯設備士の検証では雨どいを使って2階に到達するまで約20秒だ。「2階は安全」という前提が崩れた住まいでは、1階の設計だけでは不十分になる。セコムは業界最大手として50年以上の実績を持ち、専門スタッフが実際に訪問して2階・3階の窓や外構を含めた「全開口部のリスクポイント」を確認した上でプランを提案する。「上の階だから」という前提を外した全方位の設計を、専門家と一緒に作れる。
業界最大手・全開口部を現場確認・専門スタッフが設計・全国対応
セコム ホームセキュリティ
専門スタッフが現場を訪問して2階・3階の窓・外構を含めた住まい全体のリスクを確認し、プランを提案。まず相談・見積もりだけでも始められる。
セコムに相談する →※センサー・専用無線回線・警備員急行という本格契約が、最も確実な設計です。まず相談・見積もりだけでも始められます。
参考資料・出典一覧
| 資料名 | 発行元 | URL |
|---|---|---|
| 空き巣や強盗から命と財産を守る 住まいの防犯対策(令和6年統計引用) | 政府広報オンライン | https://www.gov-online.go.jp/article/202310/entry-9977.html |
| 住まいる防犯110番 | 警察庁 | https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/top.html |
| 2階の窓でも狙われる?ベランダ・バルコニーの防犯対策(警察庁データ引用) | ALSOK | https://www.alsok.co.jp/person/recommend/130/ |
| 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策(警察庁令和6年統計引用) | ALSOK | https://www.alsok.co.jp/person/recommend/071/ |
| 空き巣が狙う時間帯と侵入の手口とは? | セコム防犯・防災ブログ | https://www.secom.co.jp/homesecurity/bouhan/crime_prevention/bouhan021.html |
| JRC蘇生ガイドライン2020 | 日本蘇生協議会 | https://www.jrc-cpr.org/jrc-guideline-2020/ |
| 令和5年版 救急救助の現況 | 総務省消防庁 | https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/post-5.html |
本記事はguard-structureが防犯・安全設計に関する情報提供を目的として制作しました。医療・法的アドバイスを提供するものではありません。緊急時は直ちに110番・119番へご連絡ください。
