住環境とリスク

「在宅中も施錠する」という習慣が、居空き被害を防ぐ唯一の物理的事実—侵入窃盗の約半数が「無締まり」から始まるという現実

yhongo
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「家にいるから大丈夫」
その感覚が、最も多い
侵入手口を招いている

平日の午前10時。

在宅勤務中だ。換気のために窓を少し開けていた。宅配の受け取りで玄関を開けて、鍵を閉め忘れていた。洗濯物を干すためにベランダに出たとき、リビングの掃き出し窓を開けたままにしていた。

「家にいるから大丈夫」——この感覚が、鍵をかけるという行動を省略させている。

警察庁「住まいる防犯110番」のデータ(令和6年)が示す事実は、防犯を考えるすべての人が知っておくべき数字だ。

侵入窃盗の侵入手口のデータを見ると、いずれの形態の住宅でも、空き巣を始めとした侵入窃盗の多くは、鍵の掛かっていない箇所から侵入していることが分かる。「少しの間だから大丈夫」と玄関などの鍵を掛けないままゴミ出しに行ったり、洗濯物を干したりすることがないよう、日頃から少しの外出などの場合でも必ず施錠をする習慣を身に付けることが重要だ。

ALSOKの解説が示すように、住宅を対象とした侵入窃盗の侵入方法は、鍵の閉め忘れである「無締まり」が最も多く46.5%を占め、次いでガラス破りが30.5%となっている。ピッキングやサムターン回しなどの「施錠開け」は8.4%にとどまっている。

参考:ALSOK「2025年最新版 侵入窃盗の傾向と家を守るための防犯対策」 https://www.alsok.co.jp/security_info/newsletter/201612.html

「高度な手口で侵入される」のではなく「鍵がかかっていないから入られる」——これが約半数の侵入被害の現実だ。

補助錠・防犯フィルム・センサーライト——これらすべての対策が「鍵をかけている」という前提の上に成立している。鍵をかけない状態では、どんな防犯グッズも意味を持たない。

「在宅中の無施錠」という盲点

「外出するときは鍵をかける」——これは多くの人が習慣として持っている。

しかし「在宅中に鍵をかける」という習慣は、どうか。

ALSOKの解説が明確に示すように、「居空きは、食事中など家族が1つの部屋に集まっているときや、洗濯物を干しているタイミングなどが狙われやすい。たとえ在宅中であっても、目の届かない箇所は必ず施錠を行う習慣をつけることが重要だ」。

参考:居空きとは?空き巣や忍び込みとの違いや効果的な防犯対策(警察庁令和5年データ引用) https://www.we-are-csp.co.jp/personal/column/column11.php

在宅中の無施錠が生まれる典型的な場面を整理する。

場面①:換気のために窓を開けたまま 「風を入れたい」という快適性の要求が、「窓を開けたまま他の部屋で作業する」という状況を生む。開けた窓の側に誰もいない時間が発生する。

場面②:ゴミ出し・洗濯物を干す際の「数分間の外出」 「ほんの2〜3分だから」という感覚で、玄関の鍵を閉めずに出る。セプラ株式会社の解説が示すように「空き巣は狙いをつけた家の住人の行動パターンをよく観察して、ごく短時間でもスキがあればそこを狙って侵入する」。

場面③:宅配受け取り後の施錠忘れ 宅配を受け取るためにドアを開ける。段ボールを運び込む。鍵を閉め直すのを忘れる。この「忘れ」の時間が、侵入者にとっての機会になる。

場面④:在宅中の「見ていない部屋」の窓 リビングで仕事をしているとき、寝室の窓は開いたままだ。キッチンで料理をしているとき、浴室の窓は開いたままだ。「家にいる」ことと「すべての窓を見ている」ことは、物理的に別の状態だ。

在宅ワーカーが昼間に狙われる理由—「家にいるから安全」という誤解と、居空き被害の構造
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「在宅中に侵入される」という現実を数字で確認する

「家にいれば侵入されない」という感覚は、統計と一致しない。

警察庁の令和5年の刑法犯に関する統計資料によれば、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数17,469件のうち、居空き(在宅中に侵入)は1,002件だ。1日あたり約3件、在宅中の侵入被害が発生している計算になる。

さらに問題なのは「居空きが居直り強盗に発展するリスク」だ。

ALSOKの解説が示すように「在宅中に空き巣の侵入を許すと、犯人と遭遇する可能性がある。犯人が逃げたり、大人しく降参したりすることも想定できるが、居直り強盗となってしまうととても危険だ」。

「家にいる」ことは「安全だ」ではなく「侵入者と鉢合わせるリスクがある」という意味でもある。

「施錠の習慣」を設計する——意識に頼らない仕組みの作り方

「気をつけよう」という意識は、習慣が形成されるまでの間、機能しない。

「鍵をかけ忘れる」のは「注意力が低い」からではなく「施錠という行動が日常的な行動フローの中に組み込まれていない」からだ。

習慣の設計には、「引き金(トリガー)→行動→報酬」という連鎖を作ることが有効だ。

外出時の施錠習慣を設計する:

「玄関を出る」という行動に「振り返って鍵を確認する」というステップを連動させる。「玄関のドアノブに触れる→振り返る→鍵を確認する→施錠する」という一連の動作を、繰り返すことで自動化する。

チェックリストアプリや玄関に貼ったメモ「鍵かけた?」という視覚的なリマインダーも有効だ。

在宅中の施錠習慣を設計する:

「窓を開ける」という行動に「補助錠をかける」というステップを連動させる。前記事(記事①)で詳述したレール挟み込み型補助錠は「窓を開けた状態でも施錠できる」設計だ。換気しながら補助錠をかけることで「開いているが侵入できない」という状態が作れる。

「ゴミ出しに行く」→「玄関の鍵をかける」を、習慣として設計する。「2〜3分だから」という判断を介入させない。

「無締まりを防ぐ」防犯グッズ——習慣をサポートする道具

習慣の形成を助ける道具を整理する。

① 鍵の閉め忘れを確認できるスマートロック補助デバイス スマートフォンに「鍵が開いたままです」と通知するデバイス(鍵の開閉センサー)が存在する。外出後に「閉めたかどうか不安」という状況をスマートフォンで確認できる。価格帯:2,000〜5,000円程度。賃貸でも取り付け可能なタイプあり。

② 窓の開閉センサー(アラーム付き) 窓を開けたときにアラームが鳴るセンサー。「在宅中に窓が開いたまま」という状態を音で知らせる。ALSOKの「どろぼーセンサーⅡ」のような貼るだけタイプは、賃貸でも設置できる。価格帯:1,000〜3,000円程度。

③ 換気しながら施錠できる補助錠 レール挟み込み型補助錠は「窓を数センチ開けた状態で差し込んで施錠できる」製品がある。「換気したいが侵入されたくない」という両立を可能にする道具だ。

設計を、今日から始める

「換気しながら施錠する」と「開いた瞬間に知る」——習慣を支える2つの道具

「施錠の習慣」は意識だけでは定着しにくい。この記事が示した通り、道具が習慣を支える設計が必要だ。「換気しながら施錠できる補助錠」と「窓が開いた瞬間に音で知らせるセンサー」——この2点が、在宅中の無施錠という最多の侵入手口を物理的に塞ぐ。

道具① 換気しながら施錠する / Amazonで今日から

窓用補助錠(レール挟み込み型・換気設定対応)

「換気したいが侵入されたくない」という両立を可能にする。窓を数センチ開けた状態でレールに差し込むだけで「開いているが侵入できない」という状態を作れる。在宅中の「窓を開ける=補助錠を差し込む」という習慣のトリガーと直接連動する道具だ。500〜1,000円・工事不要・賃貸OK。

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道具② 「見ていない部屋の窓」が開いた瞬間に音で知る / Amazonで今日から

窓・ドア開閉センサー(アラーム付き・貼るだけタイプ)

この記事が示した「在宅中の見ていない部屋の窓」という盲点を、音で解決する道具だ。寝室・浴室・キッチンの窓が開いた瞬間にアラームが鳴り「気づく」設計が成立する。両面テープで貼るだけ・電池式・工事不要。賃貸OK。価格帯1,000〜3,000円。

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習慣の先にある設計 / 外出中の「見ていない家全体」を監視する

MANOMA(マノマ)セキュリティセット

在宅中の施錠習慣が整ったら、次のステップは「外出中の家全体を監視する」設計だ。MANOMAの開閉センサーは外出中に窓やドアの不審な開閉をスマートフォンに即通知し、もしものときはセコムの駆けつけを要請できる。在宅中は「習慣+センサーアラーム」、外出中は「MANOMAの自動監視」という2段構えが完成する。工事不要・賃貸OK・違約金なし。

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工事不要の補助錠は、どれだけ侵入を遅らせるか—「5分の壁」を賃貸でも作れる理由
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「施錠確認ルーティン」を今日から設計する

費用ゼロで今日から始められる、施錠確認の設計を提案する。

【外出前ルーティン
(所要時間:30秒)】

①玄関ドアを施錠する
②「窓チェック」と声に出しながら
  各部屋の窓を順番に確認する
  ・リビングの掃き出し窓
  ・寝室の窓
  ・浴室・洗面所の窓
  ・キッチンの窓
③玄関に戻る
④もう一度ドアノブを確認する

→この30秒のルーティンが
  「鍵かけ忘れ」という
  最多の侵入手口を防ぐ
  費用ゼロの設計だ

【在宅中のルール
(意識ではなく条件で判断する)】

「外出する=必ず鍵をかける」
  └─ 2分以内の外出であっても
     玄関ドアは必ず施錠する
     「このくらいなら大丈夫」
  という判断を介入させない

「窓を開ける=補助錠を差し込む」
  └─ 換気したいときは
     窓を開けると同時に
     レール補助錠を差し込む
     「開いているが侵入できない」
     という状態を作る

「すべての防犯グッズは、鍵をかけた後に意味を持つ」

このシリーズでこれまでに解説してきた:

  • 補助錠(記事①)
  • 防犯フィルム(記事②)
  • ドアガード・補助錠の組み合わせ(記事③)
  • センサーライト(記事④)
  • 鍵の確認(記事⑤)
  • 不在シグナル管理(記事⑥)

これらすべては「鍵をかけている」という前提の上に成立している。

「鍵をかける」という行動が最初に来る。その上に、すべての防犯設計が積み重なる。

侵入窃盗の46.5%が「無締まり」から発生しているという事実は、「補助錠を買う前に、元の鍵を毎回かけているかどうか」を問い直すことを求めている。

「今日から意識しよう」ではなく「今日からルーティンを設計する」——この違いが、習慣の定着を決める。

費用ゼロ。今日から始められる。所要時間30秒。

これが、現存するすべての防犯グッズより先に実行すべき、最初の一手だ。

施錠習慣が身についても——「突破された後」の設計が残っている

在宅中でも侵入される設計の穴を、習慣だけで埋めることはできない

施錠を習慣化することは、侵入リスクを下げる最も基本的な設計だ。しかし「無締まり以外の手口」——ガラス破り・補助錠の突破——に対しては、施錠習慣だけでは対応できない。在宅中に侵入された場合、被害は窃盗にとどまらない。関電SOSは在宅中の異常をセンサーが検知し、専用回線で自動通報・警備員が急行する設計を持つ。施錠習慣の「次の層」として検討したい。

在宅中の異常検知・専用回線自動通報・関西電力グループ

関電SOS ホームセキュリティ

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※対象エリア外の方はセコム・ALSOKもあわせてご検討ください。センサー・専用無線回線・警備員急行という本格契約が、最も確実な設計です。

施錠習慣が身についても——「突破された後」の設計を業界最大手と作る

在宅中でも侵入される手口に対して、習慣だけでは届かない設計がある

施錠を習慣化することは侵入リスクを下げる最も基本的な設計だ。しかしガラス破り・補助錠の突破という手口には、施錠習慣だけでは対応できない。在宅中に侵入された場合、被害は窃盗にとどまらない。セコムのセンサーは在宅中でも24時間稼働し、異常を検知した瞬間に専用回線で自動通報・警備員が急行する。施錠習慣の「次の層」として、業界最大手の設計を加えたい。

業界最大手・在宅中も24時間稼働・専用回線自動通報・全国対応

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宅配業者を装った侵入は、なぜ玄関を開けさせることができるのか—「荷物です」という声が、すべての警戒を解除する構造
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参考資料・出典一覧

資料名発行元URL
空き巣や強盗から命と財産を守る 住まいの防犯対策(無締まりが最多手口・施錠習慣の重要性)政府広報オンライン(警察庁取材)https://www.gov-online.go.jp/article/202310/entry-9977.html
2025年最新版 侵入窃盗の傾向と家を守るための防犯対策(無締まり46.5%・居空き・在宅中施錠)ALSOKhttps://www.alsok.co.jp/security_info/newsletter/201612.html
居空きとは?空き巣や忍び込みとの違いや効果的な防犯対策(在宅中施錠の習慣)CSPコラムhttps://www.we-are-csp.co.jp/personal/column/column11.php
居直り強盗の意味と防犯対策(在宅中の侵入・居直り強盗リスク)ALSOKhttps://www.alsok.co.jp/person/recommend/2194/
一戸建て住宅の防犯対策(無締まり52.8%・短時間外出の危険性)セプラ株式会社コラムhttps://www.advance1997.co.jp/ad-sepla/column/202204-01/
住まいる防犯110番警察庁https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/top.html

本記事はguard-structureが防犯・安全設計に関する情報提供を目的として制作しました。医療・法的アドバイスを提供するものではありません。緊急時は直ちに110番・119番へご連絡ください。

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大切な家族と資産を守るために、「何が起こり得るのか」「何を備えるべきか」を考え、学術論文や公的データをもとに情報を整理しています。 筆者は防犯の専門家ではなく、特定の方法や製品を推奨する立場にもありません。その分、全体像を俯瞰し、防犯や備えを「構造」として捉え、判断の軸をわかりやすく言語化することに重きを置いています。 情報はあくまで判断材料のひとつです。ご自身の環境に合わせた対策を考えるための「設計図」としてご活用ください。最終的な対策については、警備会社などの専門家への相談もあわせてご検討ください。
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